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江戸の歳時記  



春(1月~3月)

1月
江戸の春は新年の訪れとともに始まります。元旦から3日にかけて行われる大名たちの江戸城登城の風景、そして初売り・初商いなどの仕事始めの人々でにぎわう2日の喧騒(けんそう)は江戸の町の正月の風物詩と言えるでしょう。また、1月を通して、町のあちらこちらに「七福神参り」などと称して寺社に参詣する庶民の姿を見ることができました。

大江戸年中行事之内 正月二日日本橋初売
橋本貞秀画 万延元年(1860)
英一蝶十二カ月の内 正月 英一蝶画

2月
春を代表する江戸の祭りとして忘れてはならないのが2月最初の午の日に開催される初午(はつうま)祭です。なかでも関東稲荷総司(いなりそうし)を名乗った王子稲荷(おうじいなり)と妻恋稲荷(つまごいいなり)には多くの人々が参詣に出掛けました。

意勢固世身見立十二直 納 梅見月のはつ午
暦中段つくし 歌川豊国(三代)画
弘化4年(1847)~嘉永元年(1848)頃刊
東都名所 梅屋舗之図 歌川芳員画 嘉永6年(1853)

3月
3月の行事といえば3日の雛祭、桃の節句です。十軒店(じっけんだな)(現在の日本橋室町あたり)をはじめ、各地で雛人形を商う市が立ちました。
そしてこの季節の江戸の人々の一番の楽しみが桜の花見です。隅田川や上野、日暮里(にっぽり)、王子の飛鳥山(あすかやま)、小金井の玉川上水堤など町中にも郊外にも桜の名所がいくつもあり、大勢の人々がお花見に出かけました。

江戸名所百人美女 十軒店
歌川豊国(三代)、歌川国久(二代)画 安政5年(1858)刊
江戸名所四季の詠 御殿山花見之図 歌川広重(初代)画
弘化4年(1847)~嘉永元年(1848)頃刊
『画本東都遊』より「浅草祭」
葛飾北斎画 享和2年(1802)刊

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