酸性紙資料の脱酸性化処置

2008年8月1日更新

酸性紙の劣化とは

 1850年代以降の製紙工程で、インクの滲み止めの定着剤として硫酸アルミニウムが使用された紙を酸性紙と呼んでいます。この硫酸アルミニウムが加水分解して硫酸を生じて紙を酸性にし、紙繊維のセルロースを傷めて紙を劣化させます。
 都立図書館の所蔵資料では特に1940~50年代のものの劣化が顕著だという調査結果がでました。(「都立図書館所蔵資料の劣化調査について(概要)」)(PDF形式 102KB)
 また、資料の本紙が酸性紙でなくても、酸性紙を挟んだりしておくと、酸が移行(マイグレーション)して、本紙をも劣化させることがあります。

酸性紙の劣化の画像

酸性紙の劣化

酸の移行(マイグレーション)の画像

酸の移行(マイグレーション)

脱酸性化処理(脱酸)とは

 酸性紙資料の劣化を遅らせる方法としては、保護用紙で作製した容器に収納する方法(→「保存・保護のための容器・装備」)が簡便ですが、より確実な対策は、紙の中の酸を中和し、アルカリ緩衝材(アルカリバッファー)を残留させる脱酸性化処理(脱酸)です。脱酸によって3~5倍の寿命がのびるといわれています。ただし、青写真、写真、革装本、色材など、アルカリによって劣化したり、劣化するおそれのあるものがあります。それらの資料には脱酸は不適です。
 この処置には機械的に行う大量脱酸と、手作業で行う少量脱酸があります。都立図書館では計画的にこれらの処理を進めています。

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