4.月次のあそび
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菱川師宣画 鱗形屋三左衛門 元禄4年(1691)刊 1冊
東京誌料 5265-5
正月の諸大名登城から、年の暮れの餅つき、正月飾りの準備まで年中行事を描いた絵本で、風俗資料としても貴重な一冊。長くこの元禄4年版のみが知られていたが、15年ほど前に延宝8年(1680)の柏屋与市版の存在が確認された。元禄4年版は、後摺ではなく再刻本で、図の数も3図減じられ19図となっている。師宣の絵本には他にもこうした再刻本があり、その原因として、天和2年(1682)の大火で板木が焼失、柏屋はそれを機に没落し、鱗形屋は板株を譲りうけたのではないかと推察されている。
本図は、五月五日「あやめのせつく」すなわち端午の節句の部分で、家紋をつけた幟を立て、冑を飾った町の様子がわかる。この日から、武家では礼服に帷子を着した。