ページの先頭です

ページ内を移動するためのリンク
本文へ移動する

ここからグローバルナビです。

グローバルメニューここまでです。

2. 傾城三ツ鱗形

傾城三ツ鱗形

Copyright (C) 2003 東京都立中央図書館特別文庫室 All Rights Reserved.
無断で転載・転用することを禁止します。

ゑさうしや三左衛門 元禄14年(1701)刊 1冊 (反町茂雄旧蔵) (元祿14年正月山村座)
特別買上 3174

元禄になると、歌舞伎のあらすじと主要なセリフを挿絵入りで刊行した絵入狂言本が出版される。元禄歌舞伎の内容を現代に伝える意味で貴重である。
遠藤盛遠が渡辺亘の妻袈裟に想いを抱き、誤って袈裟を殺害してしまう挿話は、『平家物語』や『源平盛衰記』などの説話を通じて人口に膾炙しているが、この挿話を浄瑠璃化した『恋塚物語』をさらに歌舞伎化したのがこの芝居である。盛遠(文覚)が源渡の妻かほるに懸想し、夫を殺そうとしたところを、かほるの姉の袈裟御前が身代わりになる、という趣向であった。
掲出の挿絵は、上段が四段目の浄瑠璃所作事「もんかく上人かほるひめあらぎゃうの段 上るり太夫 とらや喜元 豊島小源太夫」から、袈裟御前(早川初瀬)が大蛇に変化する場面。元禄時代の代表的な女方芸である、怨霊事を所作事に取り入れたものである。
こうした絵入狂言本は、一日に上演される作品が複雑になってくると次第に刊行されなくなり、代わって主要場面を絵で紹介する絵本番付(上方では絵尽し)が出版されるようになる。

ここからサイトのご利用案内です。

サイトのご利用案内ここまでです。