10. 遊女あはせ
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遊女あはせ
鱗形屋孫兵衛 刊(明和6年(1769)修) 1冊
請求記号:和1601
江戸時代を通じて長く出版され続けた「吉原細見」と総称される資料群がある。吉原廓内の店が順に記載され、遊女名がその所属する娼家ごとに記されているもので、いわば吉原のガイドブックである。
延宝頃(1673〜1681)から見られるが、初期には一枚物で、享保なかばから冊子型となり、明和以前は横小本、明和以降は縦小本の書型となるなど、時代により形式が変化する。書名も「吉原細見」「新吉原細見」とするのが一般的だが、安永以前は固有の書名を有していたと考えられている。本書も題簽は残っていないが、序文中に「遊女(ゆめ)あはせと題するものならし」とあるのによった。
通常春と秋の二回発行されたが例外もあり、末期には年一回となった。明治に入り活版刷に変わったものの、昭和33年吉原が消えるまで、その存在は案内書として継続した。