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三世歌川豊国画　恵比寿屋庄七　嘉永4年(1851)刊　大判錦絵竪1枚
東京誌料　N271-1

嘉永4年正月、江戸市村座では座元十二代目市村羽左衛門が竹之丞と改名、倅九郎右衛門が十三代目羽左衛門を襲名した。それを祝う寿狂言として寿万歳、見物左衛門、街道下り、稚物狂、文殊猿、石橋の各曲が演じられ、八代目市川団十郎が披露の口上を述べた。そのうち長唄による「寿万歳」の所作事に取財した一枚。早稲田大学演劇博物館で所蔵する当時の書入れがある絵本番付によると、一番目と二番目の間に寿狂言が上演されたことがわかる。
この絵では、役者は竹之丞と坂東しうかの似顔になっているが、辻番付や前記の書入れによれば、竹之丞と高麗蔵が舞っている。予定の段階で描かれたものであろう。当室所蔵品では、都見物左衛門および稚物狂ひ・文殊猿を描いた図とで三枚続となっている。