5. 仕懸文庫(しかけぶんこ)

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山東京伝著画 一冊 寛政3年(1791)刊 蔦屋重三郎 請求記号:函10-4

 寛政の改革の出版取締令に触れたため、「娼妓絹篩(しょうぎきぬぶるい)」「青楼昼之世界錦之裏(せいろうひるのせかいにしきのうら)」とともに絶版となり、京伝は手鎖五十日の刑、版元の蔦屋は身上半減の処分を受けた作品です。
 仕懸文庫とは、江戸深川の遊里仲町(なかまち)で、遊女の衣類を入れて運ぶ箱を言います。官許の遊里吉原に対抗するように流行し始めた岡場所の深川を描いた作品です。
 出版取締令を意識して、舞台は鎌倉大磯として曽我狂言の人物を登場させ、更に包み袋には「教訓読本」と書かれています。深川の風俗の細かな描写の一方、男女の真の恋の描写を強調しているのも取締令を意識したものと思われます。

 

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