8. 昔話稲妻表紙(むかしがたりいなずまびょうし)

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昔話稲妻表紙 山東京伝著 歌川豊国画 五巻八冊 文化3年(1806)刊 西村宗七・伊賀屋勘右衛門 請求記号:特471

 不破伴左衛門(ふわばんざえもん)と名古屋山三郎(なごやさんざぶろう)の敵討ちと恋の鞘当てを中心とする「不破名古屋狂言」に、近松門左衛門の「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」や「信州川中島合戦」のほか、「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」、「伊達競阿国戯場(だてくらべおくにかぶき)」など浄瑠璃・歌舞伎の作品を取り入れ、お家騒動に仕立てたものです。
 多種多様な説話が複雑に交錯する中、「不破名古屋狂言」では有名な「草履打(ぞうりうち)」・「鞘当(さやあて)」の見せ場もあり、演劇的趣向が巧みに読本化されています。
 また、京伝が晩年に得意とした近世初期風俗の考証趣味も織り込まれ、京伝の読本の中でも傑作と考えられています。
 後に芝居に脚色され、四世鶴屋南北も「浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなずま)」として脚色し、文政6年(1823)に江戸市村座で上演されています。

 

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