7. 安政風聞集 3巻
金屯道人編 安政3年(1856)序刊 半紙本3冊
東京誌料 029-4
大地震の翌年、安政3年8月25日、江戸は大風雨にみまわれた。その被害は、前年に倍すといわれる。本書は、その風水害の状況を16の版画を挿入して詳しく報じた災害誌で、前年の地震の記録である『安政見聞誌』にならったものであろう。図は、巻之中の折り込み挿絵を開いたところで、屋根や戸が吹き飛ばされるなか、川の流れのようになった道を逃げる人々が描かれている。画中の看板に、「大黒屋」「永喜岡本屋」の文字が見える。地震のため未だ仮宅、すなわち仮店舗で営業をしていた新吉原の妓楼である。