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大田南畝自筆　半紙本1冊
加10585

広く滑稽・戯作文学に手を染め、天明狂歌の中心的人物であった幕臣大田南畝は、寛政6年（1794）、改革政治の一環として始まった学問吟味と称する官吏登用試験を四十六才にして受けることになった。
本書はその受験に関しての一部始終を記録したものである。2月3日から28日まで都合4日にわたる試験について、その呼び出しから、科場すなわち試験場の様子、試験問題、自作の解答、結果発表まで、事細かに記されている。初老にして受験生となった心情を吐露した七律や、目見得以下の部の主席で及第した感慨の銘文等なども書き留めた貴重な記録である。
掲出の部分は試験第1日目の部分で、会場において貸し与えられた墨や硯まで書かれている。