Copyright (C) 2005 東京都立多摩図書館児童青少年資料係 All Rights Reserved.
無断で転載・転用することを禁止します。

Johann David Wyss
Zürich : Orell Füssli, 1951
F/943/W105/2

オリジナルは、スイス生まれの牧師、ヨハン・ダビッド・ウィース（1743-1818）が家族のために作った物語。手稿として残されていたものを、息子のヨハン・ルドルフ・ウィースが手を加えて1812年に刊行した。ダビッドのもう一人の息子が挿絵を描いていたといわれるが、刊行されたどの版にも掲載されていない。オリジナル作品が未完成であったため、途中、エピソードが加筆されたり、結末が違うものがあるなど、様々な版が刊行されている。主人公一家は著者ウィースの家族がモデルといわれる。
掲載図書はコピーライト1934年（序文1951年）のOrell Füssli社（Zürich）版。さし絵は緻密な銅版画（Wilhelm Kunnert）と4枚の色彩グラビア（J. Diveky）。
18世紀後半から19世紀にかけてのドイツ啓蒙主義の時代の中で、この作品も成長教育的物語といわれているが、力をあわせて生き抜く家族のつながりや、暮らしの工夫、冒険など、孤島ものの醍醐味がたっぷり盛り込まれていて、世界各国で愛されてきた。