Copyright (C) 2007 東京都立中央図書館特別文庫室 All Rights Reserved.
無断で転載・転用することを禁止します。

木曾街道六十九次之内　大井
歌川国芳画　加賀屋安兵衛　嘉永5年（1852）5月　大判錦絵竪1枚
東京誌料　062-C003-048

「仮名手本忠臣蔵」五段目山崎街道の場、おかるの父与市兵衛は祇園町で娘の身売り話を決め、半金の五十両を懐にわが家へと急ぐ。その金を狙って浪人定九郎が「おーいおーいおやじどの」と呼びかけるところから大井。現在歌舞伎では、与市兵衛が一休みする稲藁のかげから、定九郎がぬっと手を出し無言で財布をつかみとる演出が定型となっている。
枠は奪い取った小判のかたち、画題の周囲には、この場面の小道具、破れ傘や提灯、五十両を入れた縞の財布など。