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［源氏夏の暁］
三代歌川豊国画　山本平吉　嘉永頃刊　大判錦絵三枚続
請求記号：07658-C1

8の『偐紫田舎源氏』の挿絵から発展して、海老茶筅髷（えびちゃせんまげ）という独特な髪型の主人公足利光氏を中心に描いた錦絵を「源氏絵」と呼んでいる。源氏絵には、合巻の表紙や挿絵をそのまま写したもの、それを応用したもの、話の筋を全く離れた風俗絵や題材に時事的な話題を取り入れたものまである。人気が高かったらしく、かなりの数が作製された。
掲出は、『偐紫田舎源氏』26編上の口絵を下敷きとした絵で、中央に浴衣姿の光氏が団扇を手にくつろぎ、右に明石の上に擬した朝霧が娘の明石姫を抱いて立っている。左は乳母の菫野であろう。口絵ではこの4名だが、錦絵ではさらに歯をみがくための房楊枝を差し出す少女1名を書き加えている。宗入（明石入道）が娘のため洛西大堰の里に建てた別荘での一場面。