10．［朝鮮人来朝行列図］

朝鮮人来朝行列図の画像

［朝鮮人来朝行列図］
豊清画　［文化8］刊　（中山久四郎旧蔵）
請求記号：特3938

通信使の来日は、庶民にとっても、異国風物に触れる数少ない機会として非常に関心が高かった。画幅や絵巻に描かれ、本の挿絵となり、芝居にも取り入れられるなど、情報の広がりを見せる。
本図は、全7図からなるが、首の1図を欠いている。版元は、対州すなわち通信使の窓口でもあった対馬の地の三木屋喜左衛門とある。中山は、この絵がいつの来日時か、また画家の豊清について、歴史学者の森克己（1903-1981）に問い合わせたらしく、その回答書簡が残っている。森の回答では、正使の名から文化8年（1811）の時のもので、絵師豊清は歌川豊清としているが、『原色浮世絵大百科事典』（大修館書店　1982）の第2巻では、この絵を石川豊清の作としている。
慶長12年から12回にわたった通信使の交流は、この文化8年を最後に途絶える。

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