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『鼠の嫁入』
大江小波述　東屋西丸記　河端玉章画　博文館　1897
請求記号：913/イ21/2-24

「ねずみの嫁入り」は、日本全国で語られているだけでなく、インドの「パンチャタントラ」にも見られ、中南米や中国、韓国にも似た話が伝えられている。娘を世界一偉い人に嫁がせたいと考えたネズミの両親が、太陽に娘を嫁にしてくれと頼む。太陽は自分をさえぎる雲の方が偉いと言い、雲は風、風は壁、壁はネズミの方が偉いと言い、最後に、娘はめでたくネズミの若者と結ばれる。
大江小波は巌谷小波の別名。小波は、明治を代表する児童文学作家で、多くの昔話を手がけ、「お伽のおじさん」として親しまれた。「鼠の嫁入」では、娘にお忠と名づけたり、お日様はまぶしくて側に寄れないので、お月様の嫁にしてもらおうなど、本来の短い話を戯作風の長編に仕立てている。