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「消炭さん」『グリム御伽噺』　「新訳絵入　模範家庭文庫」所収
岡本帰一画　冨山房　1926年
請求記号：943/グ1/308

「模範家庭文庫」は、1915年（大正4年）に、冨山房から刊行された25冊のシリーズ。「新訳絵入」と角書きされるように、挿し絵が多数収められ、箱入りの豪華で美しい本。「時間と労力とを厭わず、内容に体裁に善美をつくさんことを期せり」とあるように、子供のために良書を願う編集者の姿勢が感じられる。
グリムの昔話では、「シンデレラ」の類話は、「灰かぶり」であるが、ここでは「消炭さん」と親しみをこめた名称に訳されている。岡本帰一は、母親の墓参りをする「消炭さん」の姿を描いている。
画家の岡本帰一は、若い頃は洋画家を目指し、児童劇「青い鳥」の舞台美術で名声を得た後、児童書の挿絵を手がける。リアルに描きこんだ絵からデザイン的な絵まで、幅広い画風を駆使した。