10. 親指姫
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親指姫 山田武子訳 砧伊之助画
マッチ売の少女
小山書店 1936(昭和11)年
請求記号:949/ア9/324
『少年世界文庫』の7巻にあたり、「親指姫」ほか3篇のアンデルセン童話が収められている。
冒頭の場面では、さびしい女の人が、雪の中を子供をもらいに村へ出かけるなど、鈴木三重吉の『摩以亜物語』に酷似している。その後のストーリーは、原作に忠実に語られている。
洋画家、砧伊之助によるカラーの口絵とモノクロの挿絵の二葉が収められている。口絵では睡蓮の上のガマガエル親子と親指姫を黄色い花の咲いた枝越しに描いている。斬新な構図が目を引くとともに、親指姫の小ささが伝わってくる。また野鼠と親指姫が左右対称に向き合っている挿絵では、野鼠が靴下を編んでいるにもかかわらず、写実性を失わず、物語に信憑性を与えている。総ルビ付き。