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おほかみと七匹の子山羊
『小学童話読本　第二学年』　菊池寛編　田中良挿絵　興文社　1925（大正14）年
請求記号：913/113/2

菊池寛が日本や世界の昔話を中心に編集した童話集。前書きにわが子のために選択した童話をたまたま興文社の依頼により、「各学年に分つて出版することにした」とある。叢書を学年別に出版する形態としては極めて早期の試みといえる。
「おほかみと七匹の子山羊」は、ほぼグリムの原作通りだが、オオカミは白墨ではなく「声のよくなるくすり」を買い、パン屋はねりこの代わりにバタをぬってやり、お母さんは、「子どもたちが、どこでたべられたのか、見に行こうと思って」野原に行くなど、読者の子供が理解しやすいように工夫している。
田中良（1884-1974）による挿絵は、オオカミが女装して、お母さんを演じている点が、ユニークである。