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少量脱酸

2022年1月更新

少量脱酸の方法もさまざまありますが、都立図書館で行っている水性処理と非水性の処理液を使用するブックキーパー法を紹介します。

水性処理

都立図書館では、平成13年度以降、この方法による少量脱酸を大量脱酸同様、東京都関係の資料から計画的に進めています。対象資料は地図などの一枚ものの資料です。

脱酸液をつくる

使用する主な道具や材料の画像

  • 道具と材料
  1. 中性紙チェックペン(酸性紙かどうかを確認する)
  2. 冷水 1リットル
  3. ソーダバルブ 1個
  4. ソーダサイフォン(1リットル用)
  5. 水酸化マグネシウム10g または 炭酸カルシウム 1.8g
  • 作り方
  1. ペットボトルに冷えた浄水を1リットル入れ、水酸化マグネシウムまたは炭酸カルシウムを入れる。上下に振って、よく混ぜ合わせる。白濁液となる。
  2. 1をソーダサイフォンに入れ、ソーダバルブをセットし、炭酸ガスを注入する。
  3. ソーダサイフォンをよく振り、冷蔵庫の中に入れる。約20分ごとに、ソーダサイフォンを振ってまた冷蔵庫に戻す。これを20回程度繰り返し、溶液を撹拌する。
  4. そのまま冷蔵庫の中で静かに置いておき、一晩経ったら、ソーダサイフォンからペットボトルに移し替え、冷蔵庫で保存する。ペットボトルの底に白い沈殿物が残る場合があるが、その場合は、透明な上澄み液のみを使用する。

手順

スポットテストの画像

この処理は水を使うため、事前に資料の印刷、書き込み、受入印などについて、耐水性をチェックします(スポットテスト)。耐水性がない場合は、ブックキーパー法で脱酸を行います。

脱酸の画像

脱酸液のpHを測り、pH8程度の弱アルカリになるよう冷やした浄水で薄めます。薄めた脱酸液を刷毛で塗り、資料に充分浸透させます。液槽の中に漬け込む方法が最も効果がありますが、装置などの関係で現在は行っていません。

乾燥の画像

そのまま乾かすと歪みや皺ができるため、板に挟んで乾かします。完全に乾いたら、取り扱いによる損傷から資料を守るため、不活性のポリエステルフィルムで両面から挟んで封入する処置(エンキャプシュレーション)を行います。

ブックキーパー法

酸化マグネシウム微粒子を分散させた非水性の処理液(市販)を資料に噴霧します。非耐水性の資料に対してこの方法を採用しています。

ブックキーパー法の画像

スプレーで処理液をまんべんなく資料に噴霧します。処理液は水ではないため、乾燥工程は不要です。

参考文献

  • 『防ぐ技術・治す技術-紙資料保存マニュアル-』「防ぐ技術・治す技術-紙資料保存マニュアル-」編集ワーキンググループ編著 日本図書館協会 2005年

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