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【イベントレポート】企画展示「すべての旅は本から始まった―。写真家 石川直樹の世界」と、石川直樹氏による講演会「地球を旅する」

2019年12月 3日

最終更新日:2020年3月13日

企画展示「すべての旅は本から始まった―。写真家 石川直樹の世界」と、2月11日(火・祝)に開催した石川直樹さん講演会「地球を旅する」の様子をご紹介します。
企画展示の紹介は、講演会後に希望する参加者向けに行ったギャラリートークを再現したものです。

企画展示「すべての旅は本から始まった―。写真家 石川直樹の世界」

石川直樹さんは、10代後半から世界各地を巡り写真を撮り続けている写真家です。日本各地で写真展を開催されており、写真集のほかノンフィクションの著作も多数あります。
当館では、子供読書活動推進のために作成しているブックリストで、高校生へのおすすめ本として『いま生きているという冒険』『最後の冒険家』を、小学生に対する読み聞かせにおすすめの本として写真絵本『富士山にのぼる』を紹介しています。

石川さんは、子供のころから『ロビンソン・クルーソー』『十五少年漂流記(二年間の休暇)』などを読みふけってきた読書家です。本を読み、実際にこの場所に行きたい、この場所を見たいと思い、その思いを旅に繋げています。実際に行って自分の目で見、体全体で感じる、そしてそこで感じた疑問について更に本を読んで考えを深めるとおっしゃっています。

当館では、そのような石川さんの生き方に注目し、図書館で所蔵している資料を用いて石川さんの世界を紹介することにしました。本・雑誌・写真・ポスターなどの展示により、挑戦すること、世界を見つめること、考えることなど、石川さんの生き方、多彩な活動を伝える展示となっております。

見どころ

ポスター・写真作品展示

ポスター作品

ポスター作品の展示

会場に入ってすぐのところでは、過去の写真展などで製作されたポスター40点を展示しています。
手前の5枚は「この星の光の地図を写す」という同じ写真展のポスターです。この写真展は、2016年に水戸芸術館(茨城県)を皮切りに、新潟・千葉・高知・福岡の5か所を巡回した後、2019年1月から3月まで、東京オペラシティアートギャラリー(新宿区)を最終会場として開催されました。東京オペラシティアートギャラリーでの写真展は、東京では初の大規模個展で、写真家としての初期の作品から現在までの活動の全貌を紹介する、いわば現時点での集大成ともいえる個展でした。

写真集

石川直樹の写真集

都立図書館で所蔵している石川さんの写真集を一挙に年代順に並べました。

石川さんは、2000年に世界各国から選ばれた8人の若者が、北極から南極まで人力で地球を縦断する「Pole to Pole」プロジェクトに参加しました。『Pole to pole』(2003)は、その時の写真集です。旅の間に書いていた日記は『この地球(ほし)を受け継ぐ者へ』(2001)という本にまとめられました。

ポリネシアの島々の自然と暮しを写した『CORONA』(2010)は土門拳賞を受賞しています。世界の洞窟壁画を集めた『NEW DIMENSION』(2007)、日本各地の来訪神行事を収録した『まれびと』(2019)は、民俗学や文化人類学への深い関心と洞察力がうかがわれる写真集です。 先ほど紹介した写真展「この星の光の地図を写す」の出品作品をまとめたのが同名の写真集『この星の光の地図を写す』(2019)です。山・海・極地・島々等、写真家としての石川さんの活動を網羅する写真集ともいえます。

右側はヒマラヤの8,000m峰に焦点をあてたシリーズです。石川さんは2011年に2度目のエベレスト登頂に成功し、以来昨年にかけ、年1回か2回、8,000m峰への遠征を行っています。その時の写真がそれぞれ1冊の写真集としてまとめられています。山そのものだけでなく、麓の町、人々の様子などにも温かい目が向けられています。

K2(ケーツー)コーナー

K2

石川さんの写真作品を2点、展示しています。いずれも2015年に挑戦した世界第二の高峰ヒマラヤ西端カラコルム山脈のK2(8,611m)で撮影したものです。K2は、エベレストより登頂が難しい山と言われているそうです。

その時の道のりを収録した映像2本「Road to K2」「K2 EXPEDITION」を上映しています。映像からは石川さんの息遣いが聞こえます。この時はK2とその隣にあるブロードピーク(8,047m)に挑戦しましたが撤退を余儀なくされました。

昨年、2回目の挑戦をしましたが、頂上を目前にまたもや悪天候により断念しました。しかし、その後すぐ、隣のガッシャーブルムⅡ(8,035m)という山に登っています。高い山に登るときは高所に体を慣れさせることが大変だそうですが、この時は高所順応ができていたので天候が変わらないうちにすごい勢いで登ったそうです。 石川さんは、またK2に挑戦したいとおっしゃっています。

太平洋横断の挑戦

漂着物

石川さんは2004年、熱気球冒険の第一人者神田道夫さんに誘われ、神田さんと共に熱気球による太平洋横断に挑みました。その出発の時の記録映像と写真を展示しています。

この時の気球「天の川2号」は膨らませると地上36メートルの大きさで、石川さんたちが乗るゴンドラは貯水タンクを改造したものでした。残念なことに、気球は太平洋上に着水し、2人は通りがかった貨物船に救助されました。

神田さんは4年後一人で再度挑戦しますが、途中で消息を絶ち、本人もゴンドラも見つかっていません。石川さんの著作『最後の冒険家』(2008)は、開高健ノンフィクション賞を受賞されています。この本には神田さんという冒険家への追慕の情、自分が書き残さねばという使命感のようなものが感じられます。

ここにある錆びた品々は、2004年に気球とゴンドラが太平洋に着水した際、そのまま回収できなかったゴンドラがなんと4年後、吐噶喇列島の悪石島(鹿児島県)に流れ着き、その中から回収されたものです。つまり、これらは4年以上太平洋を漂っていたものです。
石川さんはフィルムのカメラを使っていらっしゃいます。回収されたカメラにはフィルムが残っていましたが、フィルムの乳剤が変化するなどして画像は取り出せなかったそうです。

石川直樹の本棚

石川直樹の本棚

石川さんの部屋の本棚を東京都立多摩図書館と中央図書館が持っている本で再現しました。

子供の本から民俗学・文化人類学・紀行文学・山の本・地球科学と様々な分野の本が並んでいます。本棚を見ればその人の好きなものや考え方がわかるといいます。本棚を見て石川さんの旅の原点を想像してみるのもよいかもしれません。

石川さんの旅と旅に欠かせない本との関りがわかるものとして、スタジオジブリの広報誌『熱風』があります。2009年4月から約3年間『熱風』に「ザックの中には本が1冊」という連載を書いています。連載の第1回は、サハリンを旅する時に片時も手放さず持ち歩いていた、チェーホフの『サハリン島』を取り上げています。

石川さんは子供のころからたくさんの本を読んできました。開架書庫の壁面には「石川直樹の本棚」の中から集めた子供の本と、石川さんが読んだとおっしゃっている子供の本を展示しました。石川さんは、かこさとしさんの絵本が大好きだそうで、かこさとしの絵本や紙芝居も展示しています。

石川直樹の著作

石川直樹の著作

石川さんの著作と執筆記事が掲載されている雑誌を展示しています。

石川さんは雑誌の連載も多く、様々な雑誌にいくつもの連載を持っています。『岳人』など山の雑誌のほか、『暮しの手帖』『考える人』『児童心理』など多彩な雑誌に書かれています。ヒマラヤ遠征中にも原稿を送ったことがあるそうです。

昨年、雑誌『Pen』が独自の視点で選ぶ「Penクリエイター・アワード2019」にも選ばれましたが、その雑誌も展示しています。

群像

石川さんは、文芸雑誌『群像』の表紙写真を2006年11月号から2011年12月号まで担当しました。表紙写真だけでなく、扉にコラムも連載しており、これらを展示ウォールに一挙に展示しています。この企画は、きちんと世界に向き合う作品を展開する表紙にしたいと考えていた『群像』アートディレクター祖父江慎さんが、『いま生きているという冒険』(2006)を書いた石川さんに依頼し、二人の気持ちがぴったりあって5年も続いたそうです。

石川直樹の活動

石川直樹の活動

石川さんは、瀬戸内の香川県高松市で開催している「フォトアーキペラゴ写真学校」の代表を務め、北海道斜里町で「写真ゼロ番地知床」を立ち上げるなど、国内各地で様々な活動をされています。

ポスターの他、石川さんが編集長を務めている、フォトアーキペラゴ写真学校が発行している冊子『PHOTO ARCHIPELAGO』や知床斜里町観光協会が発行している『SHIRETOKO SUSTAINABLE』を展示しています。

資料リスト

■資料リスト1「すべての旅は本から始まったー。写真家 石川直樹の世界 〜写真集・著作・雑誌記事〜」

■「石川直樹活動年表」

■資料リスト2「すべての旅は本から始まったー。写真家 石川直樹の世界 〜石川直樹の本棚〜」

企画展示の概要

会期

2020年1月25日(土)から3月15日(日)まで 午前10時から午後9時まで(土日祝休は午後5時30分まで) 〔休館日 2月6日(木)、2月21日(金)、3月5日(木)〕

※2月29日(土)からの臨時休館に伴い、2月28日(金)で終了。

会場

東京都立多摩図書館1階 展示エリア

講演会「地球を旅する」

講演会の様子

講演会の様子1 講演会の様子2

石川さんが撮影した写真や映像をスクリーンに映しながら、これまでの世界各地への旅と撮影の話を時系列でお話ししてくださり、その中で出版した写真集のことや旅へとつながる読書経験について大いに語っていただきました。読むことと生きることの繋がりが感じられるような内容で、参加者が非常に集中して聴いている様子が後ろからもよく分かりました。
参加者からは、「写真や映像がとても素晴らしく、お話も大変楽しく聞かせていただいた。紹介された本を今後読んでみたい。」「石川さんの展示は何度も行ったことがあり、本も写真も拝見していたが、講演会は初めて。普段から"ホッとする場"として通っていた多摩図書館で石川さんの講演を聞くことができ、大変嬉しい。」などのご意見をいただきました。企画展示で石川さんの写真や著作に触れ、講演で直接お話を聴くことができる点が特に好評でした。

講演会の概要

日時

2020年2月11日(火・祝)午後2時から4時まで

講師

石川 直樹(いしかわ なおき)氏

1977年東京生まれ。写真家。『CORONA』(青土社)により土門拳賞を受賞。著書に、開高健ノンフィクション賞を受賞した『最後の冒険家』(集英社)ほか多数。最新刊に、翻訳絵本『ぼくたちはみんな旅をする』(講談社)など。

会場

東京都立多摩図書館2階 セミナールーム

チラシ企画展示と講演会のチラシ(画像をクリックするとPDFファイルが開きます。)

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