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ウィリアム・アンダーソン氏 講演要旨

ウィリアム・アンダ-ソン氏 講演要旨 William T. Anderson

ロ-ラ・インガルス・ワイルダ-の本が日本で翻訳されてから50年になります。最初に出版されたのは『長い冬』で1949年でした。すぐに日本からロ-ラあてにたくさんの手紙が届きました。
私が『大草原の小さな家』をはじめて知ったのは小学校3年の時で、先生が読み聞かせてくれました。先生は他のどんな本を読むよりもアメリカの歴史がよくわかるといいました。先生が川を渡る章を読んでくれたのをよく覚えています。川を渡るとき家族の一員である大切な犬のジャックがいなくなって、みんなは泣きそうになります。昼食の時間になって先生は読むのをやめましたが、もっと読んでと頼みました。次の章でジャックが見つかってうれしく思いました。このときが読書の楽しみを知った最初で、歴史にも興味を持ちました。先生はこれは本当の話で、まだ7冊もあるといいました。4年生の終わりに全部読み終えました。
8冊のうち1冊はロ-ラの夫アルマンゾの物語で『農場の少年』です。私の一番好きな話です。この話を読むとおなかがすいて仕方がありません。アルマンゾはくいしんぼで、おいしそうな料理がたくさんでてくるからです。るす番という章では、1週間両親が留守で、4人のこどもたちだけで家のことをやらなくてはならなくなります。4人の兄妹は好き勝手なことをして遊び呆けていましたが、あすはもう両親が帰ってくることに気がつきます。(ここで『農場の少年』の一節、4人があわてて家のことをしたり、口ゲンカを始める様子、アルマンゾがイライザ・ジェ-ンの命令でスト-ブ磨きをさせられるところを朗読してくださいました。)
ロ-ラが結婚したあとどうなったかを知りたくなったが、続きはありません。ロ-ラの娘ロ-ズに手紙を書いて、マンスフィ-ルドのロ-ラの住んでいた家が博物館になっていることを教えてもらいました。夏休みに行ってロ-ラのゆかりの品を見ました。そこにはロ-ラのとうさんのバイオリンがありました。『農場の少年』の舞台ニュ-ヨ-ク州マロ-ンにも行きました。アルマンゾのいとこに会って、アルマンゾが磨いたスト-ブも見せてもらいました。他のゆかりの場所も訪ねました。インガルス一家やワイルダ-家のことを知っている人がたくさんいて、第1級の資料をくれました。15歳のときはじめての小冊子"The story of the Ingalls"をまとめ、その収益は博物館の修復に使いました。その後15冊の本を書いています。多くの人々がロ-ラゆかりの地を訪ねてくれてうれしく思います。
谷口由美子さんとの最初の仕事は、子どもたちのためにロ-ラゆかりの地の写真集を作ることでした。写真家のレスリ-・ケリ-さんと3人で楽しく取材し、冒険もしました。求龍堂から出版されたこの本
(『大草原の小さな家-ロ-ラのふるさとを訪ねて』)
は素敵でしたが、一字も読めないのが残念でした。2〜3年後、Harper Collins社から英語版が出版され、ようやく読むことができました。
ロ-ラゆかりの地のスライドをみながら、ロ-ラの父さんが大工仕事をはじめ何でもできる人であったこと、ロ-ズが田舎の生活を嫌ってキャリア・ウ-マンになり、『大草原物語』を書いて作家となったこと、ロ-ズの勧めでロ-ラが「小さな家」シリ-ズを書き始めたことなどを話してくださいました。
会場からのたくさんの質問に答えて、インディアンの記述はロ-ラの差別意識からではなく、時代背景としての記述であること、アメリカでは教科書にも取り上げられ、開拓時代の暮らしを伝える資料として使われていることなどのお話があり、最後にロ-ラの物語を読んで、ゆかりの地を訪ねてください。"Welcome to America"と結ばれました。

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