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大江戸探訪  

江戸城に迫る / 文明開化スポット   


大広間と将軍の権威

御本丸大広間地絵図(百分ノ一) 大棟梁甲良若狭控 [万延度]

本丸御殿の「表(おもて)」と呼ばれるエリアには、大広間・白書院・黒書院という格式ある部屋があり、さまざまな儀式や年中行事が執り行われました。
玄関から最も近い大広間には、上段、中段、下段、二之間、三之間、四之間、入側(いりがわ)、縁などがありました。広間の大きさは、東西50mを越え、城内で最も広い空間でした。上段、中段、下段の間の天井は、格天井(ごうてんじょう)という碁盤(ごばん)の目のように木材を組んだ天井で、床と同様、上段にいくに従って一段ずつ高く、より豪華に装飾されていました。障壁画は、画題の中で最も格式が高い松と鶴が、格式の高い絵師によって描かれ、大広間の威厳と格式を一層高めていました。

千代田之御表 将軍宣下為祝賀諸侯大礼行列ノ図 楊洲周延画 明治30年(1897)刊

大広間では、年始御礼(ねんしおんれい)や外国人との謁見など、大きな儀式・行事が執り行われました。上段に着座する将軍と家格順に並ぶ大名には主従関係がはっきりと見てとれました。 格式ある大広間は、将軍の威厳を示すための最適な舞台装置として機能したのです。

千代田之御表 将軍宣下 楊洲周延画 明治30年(1897)刊

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