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江戸に集まる全国の特産品

縞揃女弁慶 [安宅の松] 歌川国芳画
天保15年(1844)刊

江戸時代に料理が発達した理由は他にもあります。農業の発展により米や野菜、果物などの生産力が上がったこと、漁業の発展により多種多様な魚介類が捕れるようになったことなどです。また、陸路や海路の流通網が整備され、生産物や漁獲物が全国から江戸などの都市部へ運ばれるシステムが出来上がったことも要因のひとつでした。

江戸時代も中頃になると、増加する江戸の町の人々の食生活を支えるため、近郊農村も含めて全国から米や野菜や果物などの食材だけでなく、酒や酢、醤油(しょうゆ)、味醂(みりん)といった調味料、出汁(だし)、嗜好(しこう)品に至るあらゆるものが江戸に運ばれるようになりました。なかでも酒は「下(くだ)り酒(さけ)」と呼ばれ、伊丹(いたみ)や灘(なだ)(兵庫県)から廻船(かいせん)で運ばれた良質な酒が江戸の人々に大人気を博しました。

新撰銘酒寿語禄 梅素亭玄魚画
文久元年(1861)刊
新版御府内流行名物案内双六 歌川芳艶(初代)画
嘉永年間(1848~1854)頃
俳優見立夏商人 歌川国貞(初代)画
天保年間(1830~1844)刊

このほか醤油は銚子(ちょうし)や野田(のだ)(千葉県)、味噌(みそ)は三河(みかわ)(愛知県)、鰹節(かつおぶし)は土佐(高知県)など、全国各地で特産品が生まれ、それらが江戸に集まることによって、さらに江戸の食文化が発達していったのです。江戸で生まれた食文化が地方の特産品に与えた影響の一例としては、江戸で誕生した握り寿司に合う酢として評判となり、売れ行きを伸ばした尾張(おわり)(愛知県)の粕酢(かすず)などが挙げられます。

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