角力東ノ方はんじもの・角力西ノ方はんじもの(すもうひがしのかたはんじもの・すもうにしのかたはんじもの)
歌川芳虎(うたがわよしとら)画 安政6年(1859)刊 東京誌料 447-C6-1・2

 この絵は人気力士や行司を東西に分けて描き、名前を当てさせる判じ物です。判じ物とは、文字や絵画に、ある意味を隠しておき、それを当てさせる謎かけ遊びの一種です。


 江戸時代後期から幕末にかけて「もの尽くし判じ物(絵)」と呼ばれるなぞなぞが流行しました。描かれている絵を見て、それが何を表しているかを考えるクイズのようなものです。
 ご紹介した判じ物を見てみましょう。「東ノ方」には13人の名前が、「西ノ方」には14人の名前が隠されています。その中には現在に引き継がれている名前も、また親方の名前として残っているものもあります。こうした判じ物が作られたということからも相撲人気が高かったことがわかります。
 謎解きの一例をあげます。「東ノ方」の絵の真ん中一番下に、木と村、雅楽で使われる笙(しょう)、野原、そして歌舞伎で有名な役どころ・助六の上半身像が描かれています。この5つの絵の名称を合わせると行司・木村庄之助の名前が浮かび上がるという趣向です。

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