二五五四好今様美人 着物好 (にじゅうしこういまようびじん きものずき)
歌川豊国(うたがわとよくに)(三代)画 文久3年(1863)刊 東京誌料 K1021-43-3

 三代豊国が描いた「二十四孝」の「孝」を「好」にもじった美人画の揃いものの一つで、着物好きの女性を描いた作品です。


 『二十四孝』とは、後世の模範となるような、孝行人24人を取り上げた中国の書物で、儒教を奨励した幕府の政策もあり、寺子屋でも教科書として使われたほどです。それにならいこのシリーズでも24人の女性を取り上げています。
 画中の文字は「あれのこれのとまよ(迷)ふがむり(無理)か、いろ(色)もかづ(数)あるごふくみせ(呉服店)」とあり、着物好きの女性が呉服店にある様々な着物を見せてもらい、あれやこれやと迷いながら選んでいる姿を描いています。
 火鉢には丸に囲んだ「大」の文字が見えることから、このお店は大丸屋であることがわかります。 
 美しい衣装に惹かれる姿は今も昔も変わりありませんでした。

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