新撰銘酒寿語禄(しんせんめいしゅすごろく)
梅素亭玄魚(ばいそていげんぎょ)画 文久元年(1861)刊 東京誌料 883-S3

 双六の体裁を採りながら80の銘柄の日本酒を紹介した作品です。幕末になると銘柄の数も増え、「白鹿」「白雪」のように現在も製造されている銘柄も見ることができるようになりました。


 江戸中期になると、酒造りは一大産業へと発展していきます。海運の発達や問屋組織の確立などを背景に、灘や伊丹で大量に生産された酒が、樽廻船という船に積み込まれ、下り酒として江戸へ運ばれ、庶民の人気を得るようになりました。
 作者・梅素亭玄魚(1817~1880)は書画家として活躍した人物です。一旦は家業の経師屋(きょうじや)を手伝いますが、その後は書画や小説の版下の作成に専ら従事し、活字の仮名書き風の版下を作るなど活版印刷の成立にも貢献しました。

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