慶長江戸図(通称「別本慶長江戸図」) (けいちょうえどず つうしょう べっぽんけいちょうえどず)
 弘化2年(1845)写 東京誌料 A11-2

 本図は現存する最古の江戸図を写した絵図と言われています。測量によったものではなく、素朴なスケッチ風の図ではありますが、信頼できる最初の江戸図とされています。江戸図の歴史のうえでもたいへん貴重なものです。


 描かれている範囲は「御城」を中心に現在の内濠周辺まで。左側下方の陸地に海が入り込んだ部分は、現在の皇居前広場から新橋駅あたりと思われます。地図中の人名、そしてこの入り江が慶長8年(1603)には埋め立てられていることなどから、慶長7年(1602)頃の江戸の町並みを記したものではないかと推定されています。
 本図は左上部に「此図弘化二巳年九月、山下友右衛門之所蔵せしを借得てうつしおくもの也(以下略)」という識語があります。『別本慶長江戸図』『慶長七年江戸図』ともいわれています。

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