[仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
歌川豊国(うたがわとよくに)(三代)画 嘉永2年(1849)刊 東京誌料 N054-32

 元禄15年(1702)12月14日は赤穂浪士討ち入りの日です。この作品は、今なお人気の高い赤穂事件(あこうじけん)をもとに作られた『仮名手本忠臣蔵』(かなでほんちゅうしんぐら)の中心人物たちを描いた作品です。


 赤穂藩主・浅野内匠頭長矩(あさのたくみのかみながのり)の家臣たち47人が、主君の仇として吉良上野介義央(きらこうずけのすけよしひさ)を討った「赤穂事件」。
 赤穂事件は、数多く芝居の題材とされ、寛延元年(1748)にその集大成ともいえる二代目竹田出雲(たけだいずも)・三好松洛(みよししょうらく)・並木千柳(なみきせんりゅう)の3人の手による人形浄瑠璃『仮名手本忠臣蔵』が上演されました。 『仮名手本忠臣蔵』は人形浄瑠璃や歌舞伎の演目のなかでも、最も有名な作品の一つでしょう。それほどこの作品は多くの人々を魅了してきました。
 画面では主人公の一人である大星由良之助(実際の事件では赤穂藩家老・大石内蔵助(おおいしくらのすけ))を沢村長十郎が、義士の一人・寺岡平右衛門を市川九蔵が、そして由良之助の息子・大星力弥を岩井粂三郎(いわいくめさぶろう)が演じています。

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