江戸自慢三十六興 浅草年之市(えどじまんさんじゅうろっきょう あさくさとしのいち)
歌川豊国(うたがわとよくに)(三代)、歌川広重(うたがわひろしげ)(二代)画 元治元年(1864)刊 東京誌料 3536-C15ア

 今なお続く浅草の歳の市を描いた錦絵です。12月になると江戸のあちらこちらに、正月を迎えるための注連飾り(しめかざり)や神棚、羽子板、さらには食材まで、ありとあらゆる正月用品を売る市が開かれていました。


 正月用の歳の市として現在でも浅草では12月17日に浅草寺に市が立ち、羽子板を買う人々で賑わいを見せています。江戸時代の浅草寺の縁日は毎月18日。12月17・18日の両日は年の最後の縁日(歳末市とも言います)として、一年の無事に感謝し、来年も良い年にと願う納めの観音詣での日でもあることから、大勢の人が集まり、江戸の町の年中行事の一つとなっていました。
 江戸時代の歳の市は、14日の深川八幡宮の市から始まり、各地で大みそかまで続けられました。

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