帝国劇場 日比谷公園より数歩の地、丸ノ内街の一角、松影清きお濠に面した白亜の荘重な建物である、其の華やかなりし頃は歌舞伎の最高殿堂として、或は外国の一流歌舞の上演場として、「今日は三越明日は帝劇」と其の豪華を謡われ上流人士の社交場たる観があった、然し滔々たる時勢の風潮に抗するよしなく今は一流の映画劇場として大衆に進出し僅かに往時の名残を止めて居る。
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