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B1へようこそ!〜資料準備の現場から〜

2024年3月作成

第1回 外からは見えにくい「都立中央図書館の地下」のせかい

ごあいさつ

 このたび、「資料管理課(しりょうかんりか)」の職員によるコラムを不定期更新することになりました。

 図書館というと、本を借りたり、調べ物をしたり、ちょっと雑誌を読みながらくつろいだり(?)......という利用スタイルが一般的なイメージかと思われますが、そこにある「本」はどうやって「図書館の本」になるのでしょうか。

 一般的な新刊書については、書店から購入します。それ以外は、古書店や版元から購入することもありますし、国や地方公共団体が発行するものなどはご寄贈いただくこともあります。地方在住の郷土史家の方が書かれた自費出版物は、その地域の歴史研究会のホームページから問い合わせて著者につないでいただいたこともありました。一口に「図書館で使う本を集める」と言っても、本当に様々な方法があるのです。

 本の集め方や整理の仕方については、図書館の規模や地域の実情によって細かい違いがありますが、都立図書館では、われわれ資料管理課の職員が専従的に選書や資料整理を行っています(そのため、相談カウンターや電話レファレンスなど、利用者サービスの当番には入りません。1日中、本の情報を集めて選書したり、目録情報の調整をしたり、資料の補修をしたり......という仕事に携わっています。)。このスタイルは、もしかしたら他の公立図書館ではちょっと珍しい形態かもしれません。そのため、同業の方にも(何なら館内他部署の職員にさえ)どういう仕事をしているのかをイメージしてもらえないことがありました。そこで、資料管理課の業務――本を選んで入手し、データを作り、装備をして利用できるようになるまで――をもっと知っていただきたい!ということで、このコラムを始めることになりました。

そもそも「資料管理課」はどこにある?

 港区の有栖川宮記念公園の中にある、中央図書館の地下1階にあります。
 中央図書館のフロアマップを見ても分かるように、利用者の皆様が自由にご利用いただける開架エリアは1〜5階です。実は、その足元には地下2階・4層からなる書庫や、資料管理課の職員が働く事務室のほか、資料の補修や製本を行う「資料保全室」(組織上は収書担当の一部)、出納委託スタッフの控室などがあります。『床下の小人たち』のごとく、皆さんが読書や調べ物にいそしんでいるその足元で、日々コツコツと資料の選定や目録作成を行っています。

都立中央図書館を横から見た図

「資料管理課」の人々は何をしている?

 資料管理課の中は、大きく4つの担当に分かれています。

組織図

 それぞれが担当している仕事は以下の通りです。
(1)収書担当(しゅうしょたんとう)......日本語資料の収集、資料保存
(2)整理担当(せいりたんとう)......日本語資料の目録作成・管理
(3)海外資料担当(かいがいしりょうたんとう)......外国語資料の収集と目録作成・管理
(4)新聞雑誌収集担当(しんぶんざっししゅうしゅうたんとう)......逐次刊行物の収集と目録作成・管理

 ただ、児童書と東京資料(いわゆる行政資料・郷土資料)については、資料の特性から、児童青少年資料担当と都市・東京情報担当の職員が選書を担当しており、資料管理課では購入事務のみを行っています。また、通常の読書に困難のある方向けの録音図書やDAISYについては、視覚障害者サービス担当が作成と提供を行っています。

 「資料を収集して、整理する」という基本的な流れは、課内のどの担当にも共通していますが、扱う資料の特性によって細かい業務の違いがあります。どの担当も「端末の前に座って図書館システムとにらめっこしながら1日を過ごす」ことが多いため、業務の様子は傍から見るととても地味なのですが、選書の時に目にした1行に涙が出るほど感動したり(そして退勤後に書店へ行って買い求めたり)、書店や取次の皆様とお話しする中で、日々様々なことを考えたりします。このコラムでは、そういった資料管理部門ならではのひきこもごもをお伝えできればいいなと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

(書いた人:司書T/収書担当)

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