B1へようこそ!〜資料準備の現場から〜
2024年3月作成
第2回 収集方法いろいろ(直販、寄贈、既刊書など)
日本語資料の収集方法
ある本が図書館の蔵書になるためには、まず「購入する」か「無償でいただく」かの2つの道があります。後者の手続きは「寄贈」と呼ばれ、日本語資料に限らず外国語資料や逐次刊行物もこの方法で入手している場合があります。「購入」の場合、日本語資料については、手続きによってさらに以下の5区分に分かれます。
(1)見計らい......「見本」となる本を書店からお送りいただき、実物を見ながら選書する方法
(2)追加発注......ブックリストや書評などの周辺情報を元に選書した上で書店に発注する方法
(3)直販......出版社や著者などから直接購入する方法
(4)地方小出版......地方出版社や小出版社の刊行物を入手する方法
(5)既刊書......新刊書として入手できないものを、古書店から購入する方法
※解説はかなりざっくりと書いてあります。詳細は、各区分についてのコラムをご覧ください(随時追加予定)。
「本」というと、いわゆる四六判ハードカバーの本、新書、文庫などがまず想起されますが、図書館で収集する本にはこんなものもあります。
たとえば統計や白書、計画、啓発パンフレットなどの行政資料。
最近は官公庁のホームページなどで公開されていることが多いですが、過去の情報を調べたい時などに、紙の蔵書が役立ちます。発行元から寄贈していただける場合が多いです。
また、国土地理院などが発行する地図類。
こういったものは見計らいでは送品がないため、追加発注して書店さんに納入していただきます。
また、自治体が発行する地方史誌や郷土史家の方が書かれたもの。
これも、各地域の歴史研究などに大いに役立ちます。直販で購入することが多いタイプの資料です。
地方小出版では、各地域ならではの情報を扱った出版物を幅広く選定しています。ただ、発行部数が少ない場合が多く、後から書評などで気がついたときには入手不可になっていることも......。そういう時は、既刊書担当に情報を渡して、古書店などに出物があるかを調べてもらいます。
このように、各区分の担当者が情報を共有しつつ、確実に必要な資料を入手できるよう気を配っています。
最近の収集事情〜電子資料について
ここまでは、いわゆる紙の書籍またはCD-ROMなど「実体のあるモノ」として存在していることが前提だったのですが、最近では電子書籍の選定も行っています。といっても、Amazonなどから1点ずつ購入するわけではなく、まずはプラットフォーム提供事業者と契約し、そのプラットフォームから利用可能なコンテンツを選定するという方式を採っています。現在、都立図書館ではTRC-DLとEBSCOebooksの2つのサービスを利用できます。こちらもぜひ、ご覧ください。
(書いた人:司書T/収書担当)