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第26弾「カレンダーいろいろ」

2010年12月15日

「カレンダー年鑑2010」表紙画像

2010年も残りわずかとなりました。年が変わればカレンダーも新旧交代、1月1日から心機一転、新しい年のスタートです。
私たちは当たり前のようにみんな揃って、カレンダーによって示される暦(こよみ)に沿って暮らしています。しかし、この"カレンダー"にも、歴史の中で役割の変遷があり、地方によって、またはそれを見る人の趣味趣向によって、実に様々な形の"カレンダー"が作られてきました。
今回は、そんなバラエティ豊かなカレンダーの世界を垣間見ることのできる資料をご紹介します。

カレンダー年鑑2010』 日本印刷新聞社編 日本印刷新聞社 2010年刊

昭和25年に始まり今年で61回を数えた「全国カレンダー展」に出品され、経済産業大臣賞や審査委員特別賞などを受賞した80点あまりの作品を、美しいカラー印刷で紹介しています。カード型や絵本型など一風変わったカレンダーのほか、一般的な壁掛けタイプのものにもポップアップの仕掛けが施されていたり、光が反射するように印刷が工夫されていたりと、各社がこぞって"カレンダー"なるものの多様性を追求している様子が伺えます。ひと月の日数、曜日、祝日など、中身としての暦が共通のものであればこそ、それを表現する手段にひときわこだわって創造されるカレンダー。そんなカレンダーの世界を味わえる1冊です。

江戸の絵暦』 岡田芳朗編著 大修館書店 2006年刊

現在でも使われている太陽暦(グレゴリオ暦)が明治に入って導入されるようになるまで、日本では太陰太陽暦が広く一般に使われていました。太陰太陽暦ではその年によって各月の大小(ひと月が30日か29日か)が変わり、なおかつ"月締め月末払い"が主流であった江戸時代においては、月の大小は心得ておくべき必須情報でしたので、その年の月の大小をあらわした"大小暦(だいしょうこよみ)"は大変普及しました。本書は、そんな大小暦について、豊富な図版をもとに解説した資料です。月とその大小を記しただけの簡素なものから、徐々に機知に富んだものに発展し、新年の配り物として趣向を凝らしたものへと変化していく様子には、今日のカレンダー文化へとつながる、日本人の持つ"こだわり"と"遊び心"の面白さが感じられます。

田山暦・盛岡暦を読む』 工藤紘一著 熊谷印刷出版部 2004年刊

江戸時代、暦は全国各地で出版されていました。それらは現在、"地方暦"と総称され、それぞれ出版された地名をつけて、京暦、伊勢暦、江戸暦などと呼ばれています。各地で出版された地方暦の中でも、盛岡藩内の田山では、文字ではなく絵で暦を表した、きわめて特徴的な暦が誕生しました。本書は、その「田山暦」と、そこから派生した「盛岡暦」に焦点をあて、絵解きの楽しみを教えてくれます。「田山暦」は、売り物ではなく手作りで配られた暦であったため、作成数そのものも、その後の伝存数も稀少で、貴重な資料とされています。一方「盛岡暦」は、明治以降に何度か廃絶の危機にさらされながらも守り伝えられ、現在でも刊行が続けられています。本書を片手に、「絵解きカレンダー」の謎解きに興じてみてはいかがでしょう。

暦の世界へ』 新宿区生涯学習財団新宿歴史博物館編 新宿区生涯学習財団新宿歴史博物館 2006年刊

平成18年に新宿歴史博物館で開催された企画展「暦の世界へ」の展示図録です。中国からの暦法伝来以降、日本独自の暦法が考案され、その後たびたび改暦が行われた歴史を簡潔にまとめた本書は、暦の入門書としても活用できる1冊です。前掲の大小暦や地方暦はもちろんのこと、明治以降に流行した引札暦(広告チラシと略暦を合わせて印刷したもの)や昭和初期のカレンダーなど幅広く収載されており、日本における暦の世界の多様な広がりを感じることができます。


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