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第62弾「製本と本の修理」

2014年2月1日

西洋製本図鑑

今でこそ、図書館は本(紙)だけでなく新しいメディアの情報も扱うようになりましたが、やはり本は多様なメディアの中心の一つとして重要な位置を占めています。みなさんの中には、本の内容もさることながら、モノとしての「本」に興味をいだく方もいるのではないでしょうか。装幀、製本、箱、紙、印刷、インキ・・・と、1冊の「本」ができるまでには様々な要素があり、興味深いところがあります。他のメディアにはない「本」の魅力は、それらを総合した質感・存在感にあるのでしょう。ただながめているだけではもの足りず、「本」のすべてを知りたくなり、それが高じると、自分で本を作ってみたい、壊れた本を修理してみたい・・・・となるかもしれません。現在、中央図書館企画展示室では「和本の歴史-絵巻物を中心とした和本の世界-」を開催中です。今回は、「本」好きのみなさんのために、製本を中心とした多くの資料のなかから選りすぐりを紹介します。

西洋製本図鑑』 ジュゼップ・カンブラス著 雄松堂出版 2008年刊

そもそも洋製本は、現在のような製本方法ではありませんでした。そんな製本の変遷を、まさに工芸品ともいえる洋製本の材料や道具の豊富な写真で紹介します。

私の製本装幀芸術の世界』 ケルスティン・ティニ・ミウラ著 求龍堂 1980年刊

ドイツに生まれた著者は、日本に魅せられ東京にアトリエを持ち、数々の芸術品ともいうべき装幀を生み出しました。本書の前半部分は洋製本のテキストになっていますが、特筆すべきは後半の装幀作品集です。桜や紅葉などをモチーフに日本の美を表現した装幀は圧巻です。

「本」に恋して』 松田哲夫著 内澤旬子イラスト 新潮社 2006年刊

商業製本の迷宮のような現場や本作りの奥義を案内してくれるのは、編集者の松田哲夫氏。現場で体感したことを、専門的なこともわかりやすく、ときには熱くドキュメントタッチで語ります。また、文章に匹敵する役割を果たしているのが、内澤旬子氏の緻密かつダイナミックなイラスト。一見の価値があります。この何とも素敵な題名の本は、まさに「本」に恋するすべての人に捧げられた本です。

手製本を楽しむ』 栃折久美子著 大月書店 1984年刊

手製本の第一人者ともいえる製本家・栃折久美子氏。自分で本を作る楽しみを丁寧に案内してくれる本書は今や手製本のバイブル的な存在です。

本のつくり方』 池上幸二郎・倉田文夫著 主婦と生活社 1979年刊

もう一冊、自分で製本にチャレンジするための本を紹介します。洋本、和本ともに詳細に記述され、特に和本については、著名な池上幸二郎氏が、一般向けにはこれ以上ないと思われるほどの詳細かつレベルの高い内容を解説しています。

古文書修補六十年―和装本の修補と造本―』 遠藤諦之輔著 汲古書院 1987年刊

がらりと地味になって、修理に関する本です。本書は宮内庁書稜部で長年本の修理に携わり、数多くの古典籍にふれてきた著者が生涯をついやして会得した、和製本と修理技術の記録です。和本の修理をする人にとっては、困ったらこの本を見るというような道しるべともなる本です。

防ぐ技術・治す技術―紙資料保存マニュアル―』 日本図書館協会 2005年刊

図書館や家庭に多くある近現代資料の保存や修理についての基本的・実用的なテキストです。類書が少ないなかで頼りになる一冊です。ほかにも巻子本や掛軸の取扱についても言及されています。

なお、都立図書館には、資料保全室という、資料の保存や修理の業務を行う専門の部署があります。本の保存や修理については、当館ホームページの「資料保存のページ」もぜひご覧いただければと思います。


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