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第31弾「古書の愉楽 その1」

2011年3月24日

調布玉川遊覽紀念繪はがきの表紙画像

図書館の命は継続的な収集行為にかかっていると言っても過言ではありません。息の長い収集行為による資料の蓄積が、図書館の価値を高めることになります。そんな図書館の活動にとって、前の大戦での空襲による被害は都立図書館に壊滅的な打撃を加えるものでした。
その欠を補うことを主な目的に、都立図書館では毎年千冊以上の古書を購入しています。今回は最近購入した古書の中から数冊を選んでみました。

調布玉川遊覽紀念繪はがき

6枚組みの絵はがきで、発行年は記されていませんが、昭和初期のものと思われます。そのなかの1枚がここに写真で紹介する「多摩川鮎釣」です。この当時の調布多摩川辺りは、東京市民の行楽地として賑わい、宿屋や料理屋が繁昌していたようです。調布取水堰ができたのが昭和11年ですが、それまでは鮎漁や鮎釣りが楽しめたそうです。この他には「多摩川玉翠園」「多摩川鮎漁場」などの写真がその頃の調布附近(玉翠園は現在の狛江市中和泉4丁目あたりにあったらしい)の多摩川での行楽の賑わいを伝えています。
因みに都立図書館には戦前の東京関係の絵はがきのコレクションがあって、その一部を当ホームページ「都市・東京の記憶」で紹介しています。

日本映画年鑑 第5年 昭和4-5年』 朝日新聞社 1926年刊

大正と昭和の転換期に産声をあげた朝日新聞社刊行の映画年鑑です。この昭和4-5年版は、ちょうどトーキーの技術が商業映画に導入されはじめて大衆化のスタートを切った頃の資料です。「トーキーのメカニズム」とか「トーキー出来上るまで」といった記事では、図や写真をまじえてトーキーの仕組みをわかりやすく説明しています。「ベスト・トーキーズ」「トーキーの新スター」といった記事も時代を感じさせます。
今回は「第2年版 大正14-15年」「第3年版 大正15-昭和2年」も入荷しました。

両国川開大花火番組 昭和8年

いわずと知れた夏の風物詩、隅田川の花火大会のプログラムです。現在の花火大会の名称は「隅田川花火大会」。これは昭和53年以降の名称で、戦前は「両国の川開き」と呼ばれていたようです。「両国の川開き」とは夏を迎えて夕涼みの季節が始まり、川辺に茶屋や物売りなどがその営業を開始することを告げる行事を指すようです。
この「番組」には打上げの時間、花火の名称、花火の製作者等がすべて記されています。
現在の隅田川花火大会には実行委員会のホームページがあり、昭和30年代の川開きの写真などの資料が載っています。また、墨田区観光協会の運営になる両国花火資料館という施設も紹介されています。
都立図書館にはこのほかに昭和12年と昭和30年の番組もあります。

国技館開館記念

旧両国国技館と言われている建物は何度か災害にあって建て替えられています。明治42年に竣工した最初の国技館は大正6年に火災に会って焼失。大正7年起工、同9年に完成した2番目の建物は大正12年の関東大震災で再度焼失しました。この後再建された3番目の建物も昭和20年東京大空襲で失われました。
この資料の開館記念は大正9年に完成した2番目の建物で、12年に震災で焼けるまでわずか3年余りしか使われなかったものです。更地のときの写真から骨組みが組み立てられる過程の写真まで、建設の経緯がわかるように構成された写真集になっています。


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