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第68弾「クジラと共に生きる」

2015年2月1日

クジラ&イルカ生態ビジュアル図鑑表紙画像

高校生直木賞を知っていますか?
2回分の直木賞候補作12作の中から、高校生が独自に選ぶ文学賞です。フランスの高校生ゴンクール賞に倣って、2014年から始まりました。
栄えある、第一回受賞作は伊藤潤の『巨鯨の海』。組織捕鯨を行う村の、掟に縛られた人々の生活を描いた短篇集です。歴史小説は若者に敬遠されがちだと考えられていただけに意外な結果でしたが、物語の魅力があれば、形式も年齢も関係ないのですね。

今回のテーマは「クジラと共に生きる」。

古来より密接に結びついてきた、クジラと人の関わりを見つめた本を7冊、ご紹介します。

日本人とクジラ

こと典百科叢書 第39巻 捕鯨』 大空社 2014年刊

昭和初期の南氷洋工船捕鯨を指揮した馬場駒雄が著した『捕鯨』(昭和17年刊)を収録。当時の日本や世界の捕鯨の情勢、歴史、手法、利用法、保護など、データと経験に基づいて幅広く記しています。

巨鯨の海』 伊東潤著 光文社 2013年刊

江戸時代、組織捕鯨によって栄えた紀伊半島の漁村、太地(たいじ)が舞台。僅かな和の乱れが死につながる組織捕鯨のため、厳しい掟に縛られた村の暮らしを描きます。歴史小説として史実をベースにしつつ、六つの短編に共通する「組織と人」というテーマは現代に通じるものがあるでしょう。第四回山田風太郎賞、第一回高校生直木賞を受賞。

クジラ解体』 小関与四郎著 春風社 2011年刊

昭和と平成のクジラ解体現場などを撮影した、貴重な写真集。モノクロ写真だからこそ伝わってくる静かな迫力があります。ありのままを記録しており、内臓なども写されているため、苦手な方はご注意ください。前述した『巨鯨の海』の舞台、太地の現在の風景も収録されています。

世界の人とクジラ

クジラとアメリカ アメリカ捕鯨全史』 エリック・ジェイ・ドリン著 北條正司、松吉明子、櫻井敬人訳 原書房 2014年刊

アメリカ大陸開拓から400年以上に及ぶ、欧米の捕鯨史を膨大な資料によって解き明かします。"捕鯨は国家発展の原動力のひとつであった"という著者の言葉のとおり、クジラはアメリカ合衆国に欠かせない存在でしたが今日ではあまり注目されることがありません。メルヴィルの『白鯨』を読んだ方へ、歴史的背景を知るための副読本として推薦したい一冊です。(もちろん読んでいなくても面白いですよ!)

クジラとともに生きる アラスカ先住民の現在』 岸上伸啓著 臨川書店 2014年刊

アラスカの先住民イヌピアットの文化、社会の中心はクジラ。彼らにとってクジラは単なる食料でなく、生活と密接に結び付いた存在なのです。約8年間のフィールドワークの成果となる本書は、変容する時代における人と鯨の付き合い方を考えさせてくれます。

クジラの生態

クジラ&イルカ生態ビジュアル図鑑』 水口博也著 誠文堂新光社 2013年刊

観察記録や解説が付いた、まるで写真集のような、クジラとイルカの図鑑。海洋生物ジャーナリストの著者が撮った、美しく貴重な姿が収められていて、クジラの大きな口の中までじっくり見ることができます。

鯨とイルカのフィールドガイド 新版』 宮下富夫、吉岡基著 本山賢司イラスト 東京大学出版会 2009年刊

本格的なホエールウォッチングをしたい方に薦めたい一冊です。海上、浜辺などで出会った、クジラやイルカの種別の見分け方が書かれており、それぞれの生態、特徴、分布を知ることが出来ます。 実は東京でもクジラに出会うチャンスが!小笠原諸島父島近海にはマッコウクジラが住んでおり、ザトウクジラも12月から5月頃まで訪れます。ホエールウォッチングで間近に見られた時の感動は計り知れません。

調査研究のための図書館」として、新刊に加え、古書や寄贈など様々な形で資料を収集する都立図書館。その188万冊の蔵書の中でも比較的新しい資料からピックアップしました。
今回紹介しきれなかった、貴重な資料も多数あります。是非、図書館を探検して、見つけてみてください。


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